国立博物館にも行って来た

時間が余ったので、ノースリーブと上野公園を散策。博物館や美術館なんかを案内して歩く。
ちょうど、国立博物館では「餓鬼草子」を展示していた。ノースリーブ、教科書でしか見たことないと餓鬼草子に興味津々。俺も興味アリアリなので勇んで入館する。

餓鬼草子の保存状態は想像していたより良かった。
筆使いは見事。シンプルだが活き活きしている。それにより描かれた登場人物(?)の豊かな表情やコミカルかつ少々グロめなモチーフにより、実に楽しく鑑賞できた。

この作品は、「欲望を持ったものは餓鬼として辛い死後を送る」と言う主題だけではなく、「華やかな生を送る貴族や市井の人問わずに全てが生まれ死にゆく」「死んだら皆腐り、骨になる」と言う死生観を描いている。
これって、西洋美術で言う「メメント・モリ(死を覚えよ)」とか「ダンス・マカーブル(死の舞踏)」と同じモチーフなんだなぁなんて見ると、洋の東西を越えて生死への共通観念や、世界を通じての人々の行き交いが想像できて、面白い。
俺の場合その「死の舞踏」を卒論にしただけに、なんか感慨深いものがあったりする。

でもまぁ、一番強く感じたのは・・・。
作中、街の片隅で人々が普通に用を足している描写があった。そりゃもう、老若男女すごいくらいに垂れ流し。「ああ、現代は上下水道が発達してくれてマジ良かったなぁ」と思ったこと。
あの時代、その手の嗜好を持った人にはパラダイスなんじゃないだろうか?


有名どころの浮世絵も面白かったが、ある画家が研究兼習作で描いた鳥や虫なんかの絵がかなり面白かった。作者名忘れた。残念。後で調べる。
この人は当時にしては珍しく、人物をデフォルメされた形ではなく写実的に描く、独特なスタイルを持っていた人らしい。
当時のおっさんをオッサンらしく描き「ああ、こんな人いるいる。」と思わせるくらいの描写力だ。
俺はこのスタイル好きだけど、当時としては苦労したんじゃないかなーと思ってしまった。
そのとき、近くで例の習作を見ていたカップルが発した「うわー、この画家、オタクやわぁ。」と言う言葉が聞こえて来た。なるほど、類友なわけね。俺。

しかし、こう言うのを見ると日本の絵もなかなか面白い。

ミイラや刀剣、甲冑や器を見てときめく。国立博物館は一日いても飽きないなあ〜。
ノースリーブ氏も博物館の楽しさに目覚めた模様。イイゾ!