その刺激に身をゆだねろ!

ホラーって実に幅広く、複数のジャンルに跨る要素だと思う。得体の知れないものに対する恐怖はどんなジャンルにおいても手っ取り早く心を刺激してくれるから良い。この刺激とそれらが纏う「いけない雰囲気」が好きだ。
今「天使の囀り」を楽しく読んでいる。未開のアマゾンのじっとりとした湿気、インディオに伝わる呪い、気味の悪い猿を食う等、もうネガティブな刺激満載で思わずニヤリとしてしまう。いやー、久々だなぁこの感じ。

ラブクラフトを毎日読み漁って、悪夢(深きものに追われた)すら見ていた多感な中学生の頃。"来る"シーンを何度も読み返し、目を閉じ、想像力を働かせて胸が締め付けられるような息苦しいような感覚や背筋の悪寒を自ら味わっていた。かなり変態ちっくな楽しみ方だと思う。
他にも、ファンタジーやSFをかなり読んだと思う。ただ、推理だけは苦手だった。どちらかちうと刺激を素直に享受するような楽しみ方が俺には向いているんだと思う。刺激の奔流にもまれる感覚。
この傾向は音楽にもあてはまる。重くて激しい音と激情が突き刺さってくる感覚。内側から蝕まれるような悲しみと狂気の感覚。
・・・俺はアレか、精神的にMなのかもしれん。

俺が世間でヒットするような恋愛、純愛ものに対して全く魅力を感じないってのは多感から今までこんな風に偏った刺激の受け方をしているせいかも知れないなーと思う今日この頃。
電車男にしろ、世界の中心〜にしろ、俺にはもう全然響かない。なんて言うか、やはりヴァイオレンスな方の闘いの中で芽生えて育まれた愛じゃないと"来る"ものが無い(笑)
そんな俺の考える最高の愛の物語は「ブレイブハート」と「北斗の拳」。

・・・でも、この偏った受容体には"萌え"ものとか一昔前のギャルゲーとか、ああ言う無条件に与えられる激甘な刺激がぴたっとはまる事があるので要注意。慣れない刺激だけに熱病のように蝕むぜ・・・と過去を振り返ってみたり。